梅干製造過程
梅の収穫
2月頃、梅の花は厳しい寒さも忘れさすかのように、芳醇なを香り漂わせながら次々と小さな白い花を開花させ、山一面を真っ白にします。春らしくなると、梅の花は散りますが、花の咲いていた所に小さな実をつけ、6月には梅の実もだいぶ大きくなり、「青梅」と呼ばれ、この時期に収穫される梅は梅干に適していなくて梅酒用となります。また、梅肉エキスをつくるのも、この時期収穫します。
6月半ば~7月には南高梅の特徴である、紅を差したような赤みを帯びます。
枝から自然落下した新鮮な完熟梅は果肉が厚くて柔らかく、それでいて皮が薄いので、 傷がつくのを防ぐ為に張り巡らされたネットで受けて、梅をひとつひとつ手作業で収穫します。
さらに、実が完全に熟して落下した梅は太陽光線が当たると、実はぶよぶよのゼリーのようになって、つぶれてしまいます。この「梅が焼ける」という状態になると、塩漬けすらできない状態になり捨てるしかなくなるため、晴天の日は必死になって、梅が焼ける前に収穫します。
梅の洗浄・選別
一粒一粒、丹念に手作業によって収穫された良質の梅だけを厳選し、洗浄して品質を検査し、サイズ別に分けられます。
梅の漬込み
塩と完熟梅が交互に配分され、選び抜かれた梅たちを天然塩だけで約1カ月半漬け込みます。
梅の実から出た梅酢が溢れ出してきます。それは、美味しい梅干の漬け上がりを知らせてくれ、重さは収穫時の約7割ぐらいまでになります。
梅の土用干し
水洗いされた梅干を、一粒ずつ重ならないようにせいろに並べ、3日3晩の天日干しとよく言われますが、南高梅は肉厚の為、干し上がりには お天気にもよりますが、5日は掛かります。
まんべんなく乾かさねばならないため、時折裏返しする作業工程が必要です。天日干しする事により梅のうまみが凝縮されおいしい梅干ができあがります。
このような中から、A級の梅はわずか20%ほどです。
梅干の調味・漬込み
土用干しが終われば、もう一度品質検査を行います。
干しあがった梅は A・B・C・外 等の等級に分けられ、10kgの白干し梅のタルに入れられます。
ここからが2次加工として、時代と共に移り行くニーズに応え、こだわりの塩分10%を中心に、かつお節、こんぶ、しいたけ等により、食べやすく喜んでいただける味覚に調味し、漬け込みます。
梅干の包装・検品
厳重な衛生管理の元に仕上がった梅を検査し、良質な梅だけを容器に一粒一粒、思いを込めて詰めていきます。
そしてようやく完成した梅干が皆様の元へと発送されるのです。